株式会社エム・エム 
代表取締役 社長執行役 兼城 毅 様  インタビュー
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生駒:今日は私どものインタビューにお答えいただき大変嬉しく思っております。ありがとうございます!
早速ですが、まず最初に簡単に株式会社エム・エム様、そして兼城社長の自己紹介をしていただけますでしょうか。

兼城:私ども株式会社エム・エムという会社ですが、主な事業として、 携帯電話キャリア(NTT ドコモ)の運営代理店事業を三浦半島の横須賀で担っている会社です。
具体的には4店舗のドコモショップと法人営業拠点を1拠点持ち合わせており、横須賀市、三浦市、葉山町、逗子市に在住のお客様をメインターゲットとして店舗運営と法人企業様のフォローをさせていただいとおります。
私自身は、この会社に入社してから丸々20年間勤務しており、現在は社長として経営を任されています。
横須賀出身ということもあり、愛着のある地元横須賀で仕事を始めたいという想いから就職活動をし、運良くこの会社を見つけることができて就職したのが最初のきっかけです。
入社当初は店舗での販売スタッフからスタートし、様々な経験を通じて、今日までお客様に育ててもらいました。
現在は私も45歳で子供も3人おり、これまでは仕事を一生懸命しすぎた部分もありますので、最近は家族との時間を大切にしながらも仕事を楽しんでいます。

生駒:ありがとうございます。兼城社長は運良く株式会社エム・エムに入られたということですが、そのきっかけをもう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

兼城:はい、恥ずかしながら私は大学生の頃に就職活動をあまりせず遊びすぎてしまったところもありまして、実は卒業が危ぶまれた時期があったんです。なんとかギリギリ卒業ができるかできないかという瀬戸際のところで、卒業する年の1月の終わりぐらいにようやく卒業が決まったのは良いのですが、働かないとさすがにまずいだろうといったところから何となく就職活動を始めたように思います。
とは言え大手企業なんかはもうとっくに採用は終わっていますし、なかなか企業側もこういう人間は取りにくいだろうし、「これはまずいぞ」と焦っていたのを覚えています。
そんな中、地元の横須賀で働きたいという想いもあって、地元で就職先を探していたところ、募集をしていた企業の1つにこのエム・エム社がありました。調べてみると仕事内容も携帯電話の販売ということで、これから成長が期待できる業界だったこと、そしてもう一つは接客業をしたいという気持ちがあったこと。これが、私が株式会社エム・エムへの入社を決めた大きな理由でした。
ここは自分の希望が叶えられる会社だと熱意に燃える反面、まずは「まあしばらく1、2年働いてみようかな」と、そんな軽い気持ちもありつつの入社でした。結局、これがきっかけでこの後、接客の面白さ楽しさにのめり込んでしまったという感じですね。
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生駒:なるほど、そういった経緯があったのですね。
携帯事業というのは、20年前から考えると一番急成長した事業と言っても過言ではないですよね。携帯電話なんてほとんどの人が持っていない社会が、今ではほとんどの人が持っている社会になりましたから。
そんな急拡大する事業の波にうまく乗られたのは、きっかけはどうあれ、兼城社長の直感力があったからでしょうね。
先ほどのお話の中に「お客様に育てられた」とありましたが、この20年の中でお客様の数、質と様変わりしていく中で、兼城社長もお客様と一緒に成長されてこられ、今があるのかなと思います。

兼城:そうですね、私はとても運が良かったということもありますけど、本当に様々なお客様との「出会い」がありましたので。
それは自分が苦しい時は特に助けられましたね。

生駒:では、兼城社長はこれまで20年以上仕事を続けてきた中で、仕事上のターニングポイントとなった、これはというエピソードがあればぜひ聴かせてください。

イメージ 兼城:振り返れば、ターニングポイントは結構いくつもあるのですが、例えば、私も受講した俊さんの研修プログラムの中でみんなに披露した話もその内の1つでして、これは実はあまり他の従業員には話していない話でもあります。
私が入社して数年目、27、28歳の時でした。
その当時私は急遽横須賀店の店長に抜擢されたんですね。当時はまだまだ人財も育っていなくて、店長を任された経緯も、結局上司が辞めていって繰り上げでなったというくらいのものですから、社内の中には、正直、頼れる人はあまりいませんでした。
そんな中、当然私は店長ですから、お客様からの苦情やご指摘を一手に引き受けるしかなく、極度のストレスからものすごい疲弊してしまった時期があったんですね。
その頃は会社を何度も辞めようかと滅入ってしまった時期で、特にひどかったですね。
ただ、そんな辛い状況の中、私を頼りにしてくれるお客様も同時に増えてきて、そのようなお客様から、辛い状況の中だからこそ忘れてはいけない接客の喜びみたいなものを思い出させてくれたという出来事が、今でもこの仕事を続けている大きな転換点かなと思っています。
その出来事のきっかけは、私の名前にあるのですが、私の名前は沖縄の名前なんですよね。実際に住んだことはないんですけど。
その時に接客したお客様は全く知らない方だったのですが、沖縄のご出身の方で、接客中「あなた沖縄の方なの?」と。
最初は不満を抱えて苦情を言いに来られたんですけど、ひょんなことからそんな繋がりもあって、「ちょっと苦労してるから教えてもらいたいんだけど」と伺ったお悩みに対し、私も一生懸命考え、解決策も示すことができ、そのお客様も納得されてお帰りになられたんです。

それ以来、そのお客様は誰よりも私を頼りにしてくださるようになりまして、その関係は今現在も続いています。
同じ神奈川県でも、その方は伊勢原市の方に住んでいらっしゃるんですが、お店に来なければいけない用がある時は、わざわざ横須賀店まで私を頼りに来てくださるんですよ。
そういったお客様との関係が、もちろん、その方だけではなく色々な苦情や不満を持ったお客様もいれば、当時はあまり社会的に許されないようなお客様もいらっしゃったりと、そういう方々の話を親身になって傾聴して、それを何度も何度も重ねていくとですね、いつの間にか打ち解けていって、最終的には私の言うことに納得してくれるようになるんです。
非常に苦労したお客様もいれば、私に多くの教えを説いて頂いたお客様もいらっしゃって、本当に周りの方に助けられたなと思っています。
この時期は特に、自分にとって成長できる職場環境があり、まだ27歳で若かったこともあり、あまり転職とかそういう時代でもなかった当時は、「このまま頑張って続けよう」という考えに至った、すごく私の下支えになった時期でしたね。

生駒:先ほどから、何度もおっしゃっています「お客様から助けられた」とか「お客様から成長させてもらった」とか、兼城社長はそういうところを非常に恩義に感じる方なのでしょう。
それと、私もこういう立場で多くの経営者さんとお話する機会があるのですが、本当にこれをよく言われる方が多いんですよ、「僕は運が良かったんだよ」と。
会議の場でも、お酒の席でもそうなんですが、自分を振り返った時に「運が良かった」。それをちゃんと発することができる人がうまくいってる会社経営者の「共通言語」だと非常に感じることが多いですね。実を言うと私も家内によく言うんですよ。(笑)
家族円満、家庭が充実されている方もそういった言葉をよく口にしていらっしゃいます。

それでは、最後の質問になります。
兼城社長の「社長業の流儀」とは、ズバリ何でしょうか?

兼城:そうですね、これといった物というのはなかなか考え付かなかったんですけど、いつも心掛けているのは「常に礼儀正しく」ですかね。
それはもちろん目上の人、上司・先輩は当然なんですけど、仕事の関係上、後輩・年下でも同様です。
これは社内・社外に関わらず、誰に対してでもきちんと相手の立場を尊重しながら礼儀正しく接するということが仕事の基本かなと思っています。年齢や仕事での立場が上がれば、ともすると少し天狗になってしまう人も多々見受けられます。
発言が横柄になったり、相手の気持ちを考えずに自分の思いだけが先行してしまったり。
これは大抵物事がうまくいかなくなる原因の一つなんですよね。
ですから、僕は社長として何ができるというわけではないですが、自分ができる最低限の事はそれくらいかなって思います。

イメージ 生駒:私も大勢の前に出て色々なお話をさせていただいている中で、それはこちら側からも非常に強く感じることが多いですね。
しっかりとした責任を担っている方というのはその辺の謙虚さや礼儀正しさ、正しい言葉遣いも含め、常に襟を正して仕事に向き合っているように感じます。そういう方がある意味「一流の仕事人」なのでしょうね。

兼城:仕事の流儀と言うとなんかかっこいいことを考えますが、僕は全くと言っていいほど大層なことは言えなくて、振り返ってみて自分がどうやって仕事をしてきたのかなって考えると、あまり自分の欲を出すこともしない方が良いと考え、相手のためになることをしようという
考えが根底にあっていつも仕事をしているように思いますね。

生駒:そのお話を聴いて私自身もそうでなきゃいけないと改めて考えることができました。色々なお話の中に、兼城社長の人間力を多分に感じた1時間になりました。兼城社長の「常に礼儀正しく」ということの素晴らしさをひしひしと感じております。
今日は長い時間お付き合いいただきましてありがとうございました!

兼城:こちらこそありがとうございました!

編集後記

兼城社長とは、昨年の春に私の姪っ子の真子(ナオコ)からの紹介で出会いました。私の行っております「研修プログラム」に非常に興味をもってもらい、その後プレゼンテーションさせていただきました。結果、昨年(2018年)の夏前より(株)MM様の幹部8名並びに4店舗の店長の皆様に一年間受講いただきました。
兼城社長の第一印象は「稀に見る シュッっとされた方だなぁ~」でした。
実際に研修が進むに当たり様々な人間模様が垣間見え、波はあったものの最終的には「受講メンバーの皆さん全員に物凄く成長いただいた」と実感できる研修をさせていただきました。
その中でも、兼城社長は一番ノートをとられ常に前向き・礼儀正しく受講いただきました。
大きな成果といたしましては、MM様の中核の店舗であるドコモショップ横須賀店におきまして平成30年度の携帯端末(タブレット含む)の販売ご契約数が14,500件を超え、日本一に輝きました。
又、その他の店舗も神奈川県下でCS調査におきまして常に5位以内の常連店舗となり、地域の皆様に愛され、豊かな生活に貢献するお店作りに努力を重ねていらっしゃいます。
私は、そこで働かれる皆様に研修プログラムを組み&実施させていただき、新しい気付きと手法をお伝えしております。そして、新しい行動の一歩目を踏み出していただける様、全力でご支援させていただいております。(現在は、副店長並びに幹部候補者に対して研修プログラムの実施中です)

今回のインタビューを通しまして、私自身「大きな気付き」と襟を正し直すきっかけを頂戴いた様に思います。
これからも奢らず、礼儀正しくあろうと考えました。
そして、(株)MM様に更なる貢献・ご支援させていただくことを誓った次第です。
兼城社長、この程はお付き合いいただきまして誠にありがとうございます。
男が男に惚れる。
これからも兼城社長のご期待に添えます様、全力で挑んでまいります!
この度は、本当にありがとうございます。

どんな社長・経営者にも「ターゲティングポイント」があり、社長業を全うする上で「仕事の流儀」があるはず・・・それをお聴かせいただき、情報発信させていただき、この記事をお読みいただいた読者であるあなたと情報共有がしたくてスタートした企画になります。